アオイ科 Malvaceae  双子葉綱アオイ目
  イチビ属  Abutilon(アブティロン)
  ゼニアオイ属  Malva(マロウ)
  タチアオイ属  Althaea(タチアオイ、マーシュマロウ)
  トロロアオイ属  Abelmoscus(トロロアオイ)
  ハナアオイ属  Lavatera(ラヴァテラ)
  ワタ属  Gossypium(ワタ)
 ムクゲ属  Hibiscus(ヒビスカス、ハイビスカス、ケナフ、ローゼル)
ムクゲ属 ハイビスカス
     Hibiscus rosa-sinensis
  和名 扶桑花(ぶっそうげ)
 今やハワイのシンボルとして、レイの花としてあまりにも有名になっている が、中国南部からインドにかけて分布している常緑低木で、寒さには弱い。植物 のなかにはこのように有名になったところと原産地が違うものがかなりあり、例 えばチューリップはオランダが有名だが原産地はトルコで、名前もトルコ人たち がかぶるターバンに由来している。また、今やごくありふれた果物として日本で も栽培が行われているキウィは、ニュージーランドではなく中国が原産で、和名 は何と猿梨(さるなし)である。ハイビスカスは樹高1.5〜3bになり、幹は 直立し、葉はやや幅が広い卵形で、長さ8cmくらいである。花は適温であればい つでも咲き、大輪の5弁花で、大きなものでは直径20cm以上にもなり、つぼみ の時は紫色を帯びた赤だが、開くと赤・白・黄色・オレンジやピンクなどになる 。花の色は非常に鮮やかで、芯の部分は赤いものが多く、いかにもトロピカルな 雰囲気の植物である。日本では温室または室内用の高級鉢物として出回っている が、ハーブとしてはつぼみを乾燥させたものが、ハーブティーとして利用されて いる。
  品種
 各種花色の物の他に、葉に斑入りのあるものも欧米では出回っているが、国 内ではなかなか思ったような品種が手に入りにくい。
  栽培
 冬でも最低8℃くらいが必要なので、暖地の機密性のある家なら、夜間に室 内に持ち込めば越冬できるが、普通は温室がないと越冬できない。6寸くらいの 素焼きの鉢に、普通に土にたい肥か腐葉土を2割くらい混ぜたもの、あるいは市 販の培養土で植え付ける。鉢植えとして買ってきたものは、年に1回5月ころに 一回り大きめの鉢に植え替えてやる。なるべく日光に当ててやると花がよく咲く 。葉ダニやアブラムシなどの害虫が付きやすいので、見つけ次第適当な農薬をか けて駆除してやらなければならない。増やすには、6月ころに出てきた新しい枝 を切り取って砂などに挿し木してやると、よく発根する。
  利用法
@つぼみを乾燥させてものが、ハーブティーとして売られている。数分間煎じ ると、濃いめのロゼ(ピンク)ワインのような色になり、さわやかな香りと甘酸 っぱいさっぱりした味わいのお茶になる。なお、ティーはなぜかハワイではなく エジプトなど中近東のものが多いようだ。
A花は、鎮痙剤として活用されていた。
C高級鉢物として人気が高い。色合いの派手な大輪の花は、いかにも熱帯植物 といった風情がある。
ローゼル  
     Hibiscus sabdariffa  (Malvaceae)
  英名 jamaica sorell, roselle
 西インド諸島のジャマイカなどに原産する寒さに弱い大形の一年草で、南米や東南アジアなど、熱帯地方の多くの国で栽培されている。草丈は十分な環境で 栽培すると2m以上になる。茎は直立して根本は木質化する。葉は大きく掌状の複 葉である。花は、タネをまいてから5ヶ月くらいで咲き、花径7cmくらいのロート状で、基部は赤紫である。種名はギリシャ語で マーシュマロウ(お菓子のマシュマロで有名)の意味で、はじめは同属だったが、現在は別の属になっている。この属は非常に種類が多く、フヨウ、ワタ、トロロアオイ、ムクゲや、ハワイのレイで有名なハイビスカスもこの仲間である。
  栽培
 実がなるまでに播種から半年くらいかかる。発芽温度が高く、また寒さにも 弱いので、沖縄や南西諸島以外では栽培にはあまり向かない。25℃以上の加温 設備があれば、3月頃に播き、1cmくらい覆土しておくと発芽するので、5月く らいになったら屋外に70cmくらいの間隔で植え付ける。暑い季節は非常に丈夫で よく生育くする。
  利用法
@生の葉にはクレソンに似た香りがあり、生のまま、または加熱して食用にす る。花の後発達してくる赤紫色の萼は、ビタミンCが豊富で、ジュースにして飲 んだり、食品の色づけなどに用いられる。タネは炒って食用にし、またタネから とれる油も食用になる。
A解熱作用や、腎臓の病気に効果があるといわれている。
 モミジアオイ  Hibiscus coccineus アメリカ南東部に分布する寒さに比較的強い多年草で、 草丈1.5mくらい。根本から数本茎が立ち、葉は互生して長い柄があり、掌状に5 つに分かれており、もみじの葉に似ているところからこの名前がある。花は7月 から8月に咲き、花径15cmくらいで、鮮やかな朱色である。種名は「真っ赤な 」の意味。漢字では紅蜀葵と書く。ここから先は、輸入商社がタネを販売してい るもので、まだほとんど見かけないものである。
 ディヴァーシフォリア  Hibiscus diversifolia 熱帯アフリカ原産の寒さに弱い多年草で、欧米では一 年草として扱われている。葉は幅広いハート形で五つに切れ込んでいる。茎に粗 い毛と刺がある。花は花径10cmほどの明るい黄色で、中心部はくすんだ赤で ある。種名は「葉が切れ込んでいる」。
ギンセンカ   Hibiscus trionum 英名 bladder ketmia, flower of an hour アジア・アフ リカの熱帯地方に分布する小柄な一年草。草丈50cmくらい。葉は浅く3つに分 かれている。花は夏に咲き、前種に似て黄色で中心部は茶色。
 ヒューゲリー  Hibiscus huegelii オーストラリアに産する寒さにやや弱い常緑低木。葉は5 つに切れ込みがあるハート形で、黄褐色の毛が生えている。花は夏に咲き、藤色 またはピンクで、花の色に幅がある。
フヨウ  Hibiscus mutabilis 英名 cotton rose 中国原産の寒さに比較的強い落葉高 木。ただし、強い霜の降りる地方では冬の間に地上部が枯れ、宿根草になる。四 国や九州には帰化したものもあり、樹高6mくらいになることもある。花は夏か ら秋に咲き、大輪のものは直径30cmに及ぶものもある。花は深夜に咲き、翌日 の夜に閉じるが、閉じるころになると白い花のものも紅色になることから、酔芙 蓉(すいふよう)とも呼ばれ、種名も「変化する」の意味である。花色に赤、白 、ピンクと白に紅のぼかしのはいるものもあり、淡い色の品種はのどの部分が濃 い赤紫色になる。欧米には八重咲きの品種があるようだが、国内では見かけない 。サザン・ベルというアメリカ系の品種がサカタのタネから種子として売り出さ れている。
ムクゲ Hibiscus syriacus 種名は「シリア原産の」という意味だが、数百年前に日本 に渡来しており、別名「はちす」とも呼ばれている。寒さに強い樹高2mくらいの 落陽低木で、葉は三角形で比較的小さい。6月から9月にかけて、白・ピンク・ 藤色などの、釣り鐘形の7cmくらいの花を開く。庭木や生け垣、公園、街路樹 などとして極めてポピュラーで、八重咲きのものが多い。一日花が次から次に咲 き、開花期が長いので、韓国では「無窮花(ムグンホァ=永遠に咲き続ける花) 」と呼べれておめでたい花とされ、国花に指定されている。和名も同じ漢字の呉 音読みから。